コラム
調剤薬局事務と医療事務はどっちがいい?違いや共通点・魅力を解説!
「医療事務」と「調剤薬局事務」はどちらも医療に関わる現場で活躍できる人気の職種ですが、実際にどのような違いがあるのか、就職や働き方を考える上で気になる方も多いのではないでしょうか。どちらも未経験から始めやすい仕事でありながら、勤務先や仕事内容、身につける知識、将来的なキャリアパスには違いがあります。
当記事では、両者の違いをはじめ、共通点やそれぞれの魅力について詳しく紹介します。未経験からのチャレンジを考えている方や、資格取得を目指している方はぜひ参考にしてください。
1. 調剤薬局事務と医療事務の違いを比較
調剤薬局事務と医療事務は似た職種に見えますが、実際には勤務先や仕事内容、求められる知識・スキル、給与水準に違いがあります。以下では、それぞれの特徴を項目ごとに比較します。
1-1. 勤務する職場
調剤薬局事務は、調剤薬局や保険薬局併設型のドラッグストアなどで勤務し、主に薬局業務をサポートします。職場の規模や業態によって業務範囲が異なりますが、生活に身近な場所で働ける点が魅力です。
一方、医療事務は、病院やクリニック、歯科医院などの医療機関をはじめ、健康保険組合や医療系企業、調剤薬局などの幅広い職場で活躍します。事務職としての専門知識が評価され、医療現場以外の事務部門や関連会社での勤務も可能です。
1-2. 仕事内容
調剤薬局事務の主な仕事は、患者からの処方箋の受付や会計、保険の明細書(レセプト)の作成です。診療内容を専用のパソコンに入力し、正しく保険請求できるように処理します。また、薬の納品チェックや電話対応、店内の清掃などの幅広い業務をこなします。
医療事務は、病院やクリニックでの外来受付、診療内容の入力、会計、レセプト作成・点検、保険請求を担当します。加えて、入退院手続きやカルテ管理、場合によっては薬品や備品の発注など、医療機関の運営全体を支える役割も果たします。
1-3. 必要な専門知識・スキル
調剤薬局事務では、患者情報の入力や書類管理などを正確に行う注意力や、パソコンの基本操作が求められます。患者や薬剤師とのやり取りも多く、思いやりのある対応力も大切です。
医療事務ではさらに、病気や薬の名前、医療保険制度の知識が必要になります。診療内容をもとに正しくデータを入力したり、制度について患者に説明したりする場面もあるためです。共通して、正確で素早い作業や、自分のスケジュールを管理する力も役立ちます。
1-4. 給料
厚生労働省の調査「第24回医療経済実態調査」では、調剤薬局事務(保険薬局・事務職員)の平均年収は約283万円、医療事務(一般病院・事務職員)は約422万円です。一般的には医療事務のほうが年収は高い傾向にあります。これは勤務先の規模や業務の専門性に起因する差と考えられます。
出典:厚生労働省「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告」
出典:厚生労働省「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告」
ただし、調剤薬局事務でもスキルや経験を積み、管理的な業務を担うようになると、年収400万円を超えるケースもあります。就業形態や勤務先の条件によって収入は大きく異なるため、希望する働き方に応じた選択が大切です。
2. 調剤薬局事務と医療事務の共通点
調剤薬局事務と医療事務は職場や仕事内容に違いがありますが、共通点も多くあります。ここでは、その共通点を4つ紹介します。
2-1. 未経験・無資格から始めやすい
未経験・無資格からでも始めやすい点は、調剤薬局事務・医療事務に共通する魅力です。実際には資格がなくても働ける職場もありますが、採用時には有資格者や経験者が優遇されるケースが多く見られます。
医療の専門知識や保険制度の理解が求められる場面もあるため、事前に資格を取得しておくと就職や転職の際に有利です。専門学校での学習を通じて、即戦力として求められる知識を習得しておくと安心でしょう。
2-2. 人と接する場面が多く会話力を生かせる
調剤薬局事務・医療事務ともに、患者や医療スタッフなど人と接する機会が多いため、コミュニケーション力が生かせる仕事です。来院される方の中には体調不良や不安を抱える方もおり、思いやりのある対応が求められます。
また、医師や薬剤師、看護師などと連携しながら業務を進める場面も多いため、チームワークを大切にできる方に向いています。接客や人と話すことが好きな方にとって、やりがいを感じやすい職種と言えるでしょう。
2-3. 資格を取ると就職・転職で有利になる
調剤薬局事務・医療事務のいずれも、資格がなくても働ける職場はあります。しかし、就職や転職の際に資格があると業務の理解度を示す指標にもなり、即戦力として評価されやすくなります。特に以下のような資格は、履歴書に書ける資格として人気があります。
- 調剤事務実務士
- 医療保険調剤報酬事務士
- 調剤事務管理士
- 調剤報酬請求事務専門士
■調剤薬局事務でおすすめの資格
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理士技能認定試験(医療事務管理士)
- 医療情報実務能力検定試験(医療事務実務士)
- 医療事務検定試験
- レセプト点検業務検定試験
- 医事コンピュータ技能検定試験
- 医療秘書技能検定試験
- 診療情報管理士
- ケアクラーク技能認定試験(ケアクラーク)
■医療事務でおすすめの資格
2-4. 全国的に需要があり働きやすい
全国各地に医療機関や調剤薬局があるため、医療事務・調剤薬局事務は地域を問わず就業しやすい職種と言えます。転居やライフステージの変化があっても、スキルを生かして新たな職場を見つけやすく、長く働き続けることが可能です。
また、全国的にニーズが高く、就業形態もパート・フルタイムなど柔軟に選べる傾向にあります。医療系のスキルを持っていることで、安定した職を得やすくなるでしょう。
3. 調剤薬局事務のメリット・魅力
調剤薬局事務には、仕事内容や働き方において以下のようなメリットや魅力があります。
- 将来性が高く安定して働ける
高齢化が進む日本では、病院で処方された薬を受け取る方が増えており、調剤薬局の需要も年々高まっています。ドラッグストア内に調剤薬局を併設するケースも増加しており、活躍の場が広がっています。こうした背景から、調剤薬局事務の将来性は高く、安定した職業と言えるでしょう。 - ライフスタイルに合わせた働き方ができる
正社員、パート、アルバイトといった多様な雇用形態が選べる点も魅力です。勤務時間や曜日を調整しやすいため家庭と両立しやすく、育児や介護を抱える方でも働きやすい環境が整っています。結婚や出産などで一時的に離職した場合でも、資格や経験があれば再就職しやすい点も大きなメリットです。 - 薬の知識が自然に身につく
日々の業務の中で薬剤師の説明を耳にする機会が多いため、薬に関する知識が自然と身につきます。仕事中だけでなく、日常生活でも薬を服用する際に役立ちます。 - 責任ある仕事でやりがいを感じられる
処方箋の内容を正確に取り扱うことは、患者の命や健康にも関わる重要な業務です。責任感が求められますが、だからこそ業務を丁寧にこなす達成感ややりがいを感じられます。
4. 医療事務のメリット・魅力
医療事務は、専門性を持ちながらも未経験から挑戦しやすく、長く働き続けやすい点が魅力の職種です。以下では、医療事務のメリットと魅力を紹介します。
- 社会的ニーズが高く将来性がある
高齢化社会にともない医療機関の利用者は今後も増える見込みであり、医療事務の需要も継続的に高まっています。医療機関は全国にあるため、転居後もスムーズに再就職できるという安心感があります。 - 子育てと両立しやすい柔軟な働き方が可能
パート勤務や短時間勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすく、家庭との両立がしやすい点もメリットです。女性が多く活躍している職場も多く、出産や育児によるブランクから復職しやすい環境が整っています。 - 感謝される機会が多くやりがいを感じやすい
医療事務は患者と直接関わる場面も多く、「ありがとう」と感謝される機会があります。治療行為を行うわけではなくても、医師や看護師と同じく医療を支える一員として働けるため、社会貢献を実感しやすいのも特徴です。 - 学歴・経験に関係なくキャリアを築ける
医療事務の仕事は学歴や職歴に関係なく始められるため、再就職やキャリアチェンジを考える方にも適しています。資格を取得すれば、専門性を高めながら長期的にキャリアを積んでいくことも可能です。
まとめ
調剤薬局事務と医療事務は、どちらも重要な仕事ですが、働く場所や業務内容に違いがあります。調剤薬局事務は主に調剤薬局で勤務し、処方箋の受付や会計、レセプト作成などが中心で、比較的落ち着いた環境で働ける傾向があります。
一方、医療事務は病院やクリニックなどで受付対応、診療報酬請求業務、カルテ管理など幅広い業務を担当します。どちらが良いかは、自分の希望する働き方や職場環境に応じて選ぶことが大切です。
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