コラム
医療秘書の仕事内容|仕事内容・給料相場から有利な資格まで
医療秘書は、医療機関の裏方として医師や看護師を支え、地域の人々の健康的な生活を支援する大切な職業です。しかし、一般の方と関わることの少ない職業でもあるため、「具体的な仕事内容がわからない」「医療秘書のなり方を知りたい」と思う方も多くいるでしょう。
そこで今回は、医療秘書を目指す方に向けて、主な仕事内容や役割、給料相場を解説します。医療秘書になるための方法も把握し、ぜひ医療・福祉分野で活躍できる人材を目指してください。
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1.医療秘書とは?
医療秘書とは、主に総合病院や大学病院、クリニックなどに所属し、医師や看護師の秘書業務を担当する職業です。製薬会社や調剤薬局で働く医療秘書もいて、勤務先の選択肢は豊富にあります。
2019年10月1日時点における日本の高齢化率は28.4%にも上り、少子高齢化に歯止めのかからない状況です。1990年の高齢化率が12.1%であったことを考慮すると、少子高齢化の進行は顕著と言えます。
少子高齢化が進行するほど、医療介護サービスに対する需要は高まることが通常です。医師や看護師に対して過剰な業務負担のかかる状況を回避するためにも、医療秘書の存在は欠かせません。
1-1.医療秘書と医療事務・医師事務作業補助者の違い
医療秘書と医療事務、医師事務作業補助者は、担当する業務範囲や内容が異なります。それぞれの職業の業務範囲や内容を、下記の表にまとめました。
医療秘書 |
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医療事務 |
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医師事務作業補助者 |
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医療秘書は、医療事務や医師事務作業補助者と比較して専門性が高く、広範な仕事を担当します。医師や看護師などのサポート役を担い、「縁の下の力持ち」として活躍したい方にとっては、大きなやりがいを感じられる仕事です。
2.医療秘書の主な仕事内容
医療秘書は医師や看護師、院内の関係者など多くの方と接する仕事であるため、コミュニケーションスキルの高い方が歓迎されます。また、医療の専門知識を問われる現場で働くため、病気の種類や治療法を学ぶ意思のある方も活躍できる職業です。
では、医療秘書は具体的に、どのような仕事内容を担当するのでしょうか。ここからは、医療秘書の主な仕事内容を3つの項目に分けて詳しく解説します。
2-1.秘書業務
医療秘書の担当する秘書業務には、一般企業の秘書同様の仕事・病院やクリニックで働く秘書ならではの仕事の両方が含まれます。具体的には下記のような内容が、医療秘書に任される秘書業務です。
- 電話応対や来客対応
- 医療情報の収集・整理
- 医師や看護師のスケジュール管理
- 学会・研究会への同行や出張の手配
医療の第一線で働く医師は、学会に参加し、研究結果を報告する機会が多くあります。学会に参加するための宿泊施設や交通手段を手配したり、情報収集を手伝ったりすることも、秘書業務の一部です。
2-2.事務・受付業務
職場によっては、医療秘書が医療事務や医療事務補助者の仕事を兼務し、幅広い業務を担当するケースがあります。下記は、医療秘書に任される事務・受付業務の具体例です。
- 診療報酬の請求手続き
- 診療記録の入力
- 診断書や証明書など必要文書の作成支援と事務処理
- 検査結果やレントゲンフィルムの整理と事務管理
- 行政上の届出や報告
- 窓口における患者対応全般
- ナースステーションにおける伝票整理
大規模な病院では医療事務・医療事務補助者と医療秘書が分業されることも多く、上記の業務の一部は、他の職業の方に任されることもあります。医療秘書の求人に応募する際には、就職先の規定する業務範囲を忘れずに確認しましょう。
2-3.資料作成・管理業務
医療秘書は、患者の情報管理や学会用の資料作成サポート業務も担います。具体的には、下記のような内容が医療秘書に任される資料作成・管理業務の具体例です。
- 患者の検査結果・レントゲンフィルム・カルテの管理
- 学会用資料・文書作成のサポート
医療秘書の扱う情報には重要性の高いものが多いため、取り扱いには細心の注意を要します。医師や看護師の指示を的確に把握し、思わぬミスの起こらないように注意しつつ、日々の業務にあたりましょう。
3.医療秘書の給料相場
医療秘書の平均年収は、給与所得者の平均年収を下回ります。求人サイトの情報から推定される医療秘書の平均年収と給与所得者の平均年収を比較した内容が、下記の表です。
給与所得者の平均年収(※) 約436万円 医療秘書の平均年収 約330万~約400万円
医療秘書の平均年収は給与所得者の平均年収と比較し、30万円から100万円程度低い水準に留まります。
ただし、医療秘書の給料相場は、勤務地や病院・クリニックの規模、勤続年数や実務経験などに応じて変化します。都心部の大規模な病院は給料相場が高い傾向があり、平均年収以上の待遇を狙うことも可能です。
地方で働く医療秘書であれば、勤続年数を重ねて医師や看護師と深い信頼関係を築き、経験スキルを積み上げることにより、給料アップを図ることができます。
なお、上記の表の「給与所得者の平均年収」は、平均年齢46.7歳・平均勤続年数12.4年のデータです。同じ条件で比較した場合の平均年収は上記の表ほどの開きが生じない可能性もあることに留意しておきましょう。
4.医療秘書になるための方法
医療秘書になるためには、医療福祉分野の専門学校や大学、短大を卒業して求人に応募する方法が一般的です。医療秘書になるための必須資格は、ありません。「未経験OK」と明記された求人情報も少なからず見られるため、無資格から就職・転職活動に臨み、医療秘書になることも可能です。
しかし、医療秘書は医師や看護師など医療分野の専門職と共に働く仕事であるため、最低限の専門知識を取得したうえで就職・転職した方が、仕事に慣れるまでの期間を短縮できます。医療秘書が取得すると有利な資格について知り、いち早く現場で活躍できる人材を目指しましょう。
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4-1.医療秘書が取得すると有利な資格
医療秘書が取得すると有利な資格の具体例を紹介します。資格を取得することで、就職・転職活動の書類選考や面接で「医療秘書として活躍したい」という熱意をアピールできます。
(1)医療秘書技能検定 |
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医療秘書教育全国協議会が主催する民間資格であり、レセプト作成など医療事務スタッフに必要な技能を有することを証明する検定です。 |
(2)秘書技能検定 |
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秘書業務に関する知識・スキルを問う検定試験であり、ビジネスの場で必要な共通の知識・技能、 社会人として求められる一般常識や接遇・マナーなどを学べる検定です。 |
上記の他に、電子カルテ操作スキルを示す「電子カルテ実技検定」や「医事コンピュータ技能検定」も、医療秘書が取得すると有利に働く資格です。
まとめ
ここまで、医療秘書を目指す方に向けて、業務内容の具体例や給料相場、なり方を解説しました。医療秘書の仕事内容は、秘書業務や事務・受付業務、資料作成・管理業務と、非常に多岐に渡ります。いち早く実務スキルを覚えて、一人前の医療秘書になるためには、業界からの信頼の厚い専門学校で学ぶ方法がおすすめです。
早稲田速記医療福祉専門学校は、日本で初めて医療秘書教育に取り組んだ、信頼度の高い学校にあたります。大学病院などへの正職員就職率も非常に高い早稲田速記医療福祉専門学校でさまざまな知識・スキルを学び、自分自身の夢を叶えるための最初の一歩を踏み出してみてください。