コラム
看護師になるには?免許を取得する方法や学校の選び方・費用を解説!
「人の役に立つ仕事がしたい」「医療の現場で働きたい」そのような思いから、看護師という職業に興味を持つ学生は多いでしょう。看護師は、病院やクリニックなどで患者さんのケアや診療の補助を行う医療専門職です。安定した需要があり、全国どこでも活躍できる職業です。
看護師になるためにはどのような進路を選べばよいのか、知りたい方も多いのではないでしょうか。当記事では、看護師になるための具体的なルートや必要な資格について、学校ごとの特徴やメリット・デメリットを交えながら分かりやすく紹介します。
1.看護師になるには?
看護師には「看護師(正看護師)」と「准看護師」の2種類があります。
看護師 | 厚生労働大臣から免許を受ける資格です。 |
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准看護師 | 都道府県知事から免許を受ける資格です。医師、歯科医師または正看護師の指示のもとで業務を行います。 |
出典:公益社団法人日本看護協会「准看護師に関するよくあるご質問」
資格取得までのルートも異なり、看護師は国が指定した学校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。准看護師は専門学校や准看護師養成所で2年間学び、都道府県知事が実施する准看護師試験に合格すれば取得できます。(看護師・准看護師ともに、その他のルートもあります)
以下では、看護師(正看護師)の内容を前提に解説します。
2.看護師免許を取得する方法
看護師になるためには、文部科学大臣または厚生労働大臣指定の看護系の学校を卒業し、看護師国家試験に合格する必要があります。具体的な進路としては、主に以下の4つがあります。
2-1.看護師養成所(看護専門学校など・3年または4年)
高校卒業後に進学できる看護師養成所とは、一般に「看護専門学校」と呼ばれる教育機関です。基本的に3年制で、看護師に必要な知識・技術を集中的に学び、豊富な実習を通して即戦力となる力を身につけられます。
メリットとしては、3年で卒業できるため早く看護師として働き始められること、学費が比較的安く経済的負担が小さいことが挙げられます。卒業時の学歴は大学卒業の「学士」とは異なりますが、看護師国家試験の受験資格は問題なく得られます。看護専門学校は、実践的なスキルを重視し、できるだけ早く現場に出たい人や、学費を抑えて看護師になりたい人に向いているでしょう。
2-2.看護大学(4年)
4年制の看護大学に進学して看護師を目指すルートです。看護大学では国家試験受験に必要な専門知識・技術に加え、幅広い教養も身につけられます。
卒業時には「学士(看護学)」の学位を取得でき、大学院進学のキャリアも可能です。4年間かけてじっくり学べるため、深い知識を無理なく習得できるメリットがあります。一方、在学期間が長い分、学費の負担が大きくなることや、社会に出る時期が遅くなるといったデメリットもあります。
看護大学進学は、看護師としての基礎だけでなくより専門的な知見を得たい人、将来は専門看護師などキャリアアップを考えている人に適したルートでしょう。
2-3.看護短期大学(3年)
3年制の看護短期大学(看護短大)も看護師国家試験の受験資格を取得できる進路の1つです。カリキュラムは専門学校と同様に実践重視で、卒業時には「短期大学士」の学位が得られます。
看護短期大学のメリットは、学位が得られることで卒業後に専攻科への進学や編入によって学士(看護学)を取得しやすい点です。また、比較的少人数でアットホームな環境の学校が多い傾向があります。デメリットとしては、看護短期大学の数はそこまで多くなく、選択肢が少ない点が挙げられます。
看護短期大学は、3年で看護師を目指し、かつ大学には行かずに学位も取得したい人に向いているでしょう。
2-4.5年一貫看護師養成課程校(5年)
中学校卒業後すぐに入学できる、5年一貫の看護師養成課程もあります。高校の看護科3年間と専攻科2年間を通じて学ぶルートで、約20歳という早さで正看護師の国家試験受験資格を得られます。
最大のメリットは最短で看護師になれることで、高校生のうちから段階的に看護を学べます。一方、卒業時の最終学歴は高卒扱いとなり、学士は取得できません。また、中学卒業時に進路を決めてしまうため、途中で方針転換がややしにくい点に注意しましょう。
5年一貫看護師養成課程校は、できるだけ早く看護師になりたい人に適したルートと言えるでしょう。
3.後悔しない看護学校の選び方
看護学校を選ぶ際は、まずは自分がその学校で学ぶ姿をイメージできるかが大切です。オープンキャンパスなどで校風や設備を実際に確認し、雰囲気が自分に合うかを確かめた上で進路を決定しましょう。
他にも後悔しない看護学校の選び方として、以下のポイントを押さえましょう。
・学べる期間
できるだけ早く現場に出たいなら3年課程、時間をかけて幅広く学びたいなら4年課程と、自分の希望に応じて選びましょう。
・受験科目
看護大学は、共通テストを課すなど受験科目が多く幅広い学力が求められます。一方で、看護専門学校や短大は小論文・面接のほか基礎的な科目で選考されることが多く、社会人入試を実施している学校もあります。苦手科目がある場合は、自分にとって負担の少ない試験科目の学校を選ぶのも1つの方法です。
・国家試験の合格率
各学校の看護師国家試験合格率や卒業後の就職率など実績も確認しておくと安心です。国家試験対策が充実している学校は、合格率が高い傾向があります。
例えば早稲田速記医療福祉専門学校では、2024年3月卒業生の看護師国家試験合格率が100%です。合格実績は学校のサポート体制を見る指標の1つになるでしょう。
4.看護師になるメリット
看護師を目指す主なメリットは、以下の通りです。
・給与水準が高くやりがいを持てる
看護師は給与水準が比較的高めです。厚生労働省の調査によると、看護師の平均年収は約508万円で、民間給与の平均である460万円と比べても高い傾向です。景気に左右されにくい安定した収入が期待できる点は大きな魅力でしょう。
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
・全国どこでも働ける
少子高齢化が進む日本では医療・福祉分野の人材不足が続いており、看護師は全国どこでも必要とされています。看護師の国家資格は全国共通であり、取得すれば地元はもちろん、将来別の地域に移ってもその資格を生かして働けます。
・専門性が高く転職に強い
看護師はキャリアパスの幅広さもメリットです。臨床経験を積んだ後は、認定看護師・専門看護師といった特定分野のエキスパート資格を取得して活躍の場を広げたり、師長や看護部長など、看護管理者への昇進を目指したりすることが可能です。さらに、助産師や保健師の資格を追加で取得して活躍の場を広げる人もいます。経験を積んでいけば、教育者として看護教員や実習指導者になる道も開けるでしょう。
このように、看護師は安定した高い雇用需要があり、かつ人の命を支える責任とやりがいの大きい仕事です。
5.看護師になるまでにかかる費用
看護師になるまでにかかる平均の費用は、進学先によって異なります。
・専門学校で免許を取得する場合の学費
「令和5年度 学生・生徒納付金調査」の看護師専門学校の最低額・最高額を参考にした学費は、約46万~258万円です。看護専門学校には私立と公立があるため、学校によって差が大きくなります。
出典:東京都専修学校各種学校協会「令和5年度学生・生徒納付金調査結果について」
・大学で免許を取得する場合の費用
看護大学では4年間通う分、学費も高額になりやすいです。特に私立大学では初年度に約150万円ほどかかり、4年間の学費総額は500~800万円程度となるのが一般的です。国公立大学であれば、私立大学ほど費用はかかりません。
出典:「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
一般的には専門学校のほうが卒業までの年数が短いため、大学に比べて学費も低い傾向です。他にも費用を抑える方法として、修学資金制度や病院ごとの奨学金制度を利用する方法もあります。
まとめ
看護師は安定した需要があり、全国どこでも働ける強みを持つ上に、平均給与も高い職業です。経験を積むことで、認定看護師・専門看護師などの資格取得を目指したり、管理職や看護教員への道を目指したりなど、さまざまなキャリアを実現できます。
看護師になるためには、いずれのルートでも国家試験に合格することがゴールです。学校ごとに国家試験対策のサポート体制や合格実績も違うため、事前によく情報収集しておくと安心です。
看護師を目指す方は、早稲田速記医療福祉専門学校のカリキュラム・学校の雰囲気もぜひチェックしてみてください。